父が丹精込めて育てた草花は、この夏の暑さでほとんどが枯れてしまった。植物育成の知識がない私は、膨大な数の鉢植えを管理する能力がないので、業者に依頼して処分した。業者も、これだけの数の鉢は見たことがないと驚いていた。自力で処分するのは不可能だった。
鉢のなくなった家の周りは閑散とした。置台がもの寂しげに残っている。これらは時間を見て処分しなければならない。きっと通りすがりの人は、じいさんが亡くなったことに気づくことだろう。もうきれいな花を愛でることができないと悲しむかもしれない。申し訳ないが、仕方のないことだ。(sumito)