家につれて帰れない理由

施設に入所している母は、家に帰りたいと訴え、しょっちゅう電話をかけてくる。私は「お願いだから施設にいてください」と懇願する。自宅では満足な介護ができない。排泄、入浴、食事。とくに排泄は、紙おむつに用をたしてくれたらまだいいが、トイレでないとできない。つまり排尿のたびに補助しなければならない。夜中に何回も起こされるだろう。それでは、こちらの身が持たない。自宅には86歳の父親もいる。こちらも、いつ何時倒れるか(認知症になるか)分からない。運良く施設に入れたのに、自宅介護に戻すことは、ありえない選択だ。今日もまた、「家に帰りたい」「我慢してください」の堂々巡りを繰り返すのだろう。(sumito)

今日のBGM:夜明け前