高校生の時、ふざけた曲が流行った。その名は「勝手にシンドバット」。桑田佳祐率いるサザンオールスターズのデビュー曲だ。ノリのいいテンポに、言葉をもてあそぶかのように訳の分からない詞を唄っていた。こいつらはコミックバンドか、と蔑むように感じていた。ところが、次に出した「いとしのエリー」は、打って変わって哀愁の漂うバラードだった。これには参ってしまった。脳天を金槌で度突かれた思いがした。こんな曲も唄うんだと、サザンの評価が一転した。大学に入学して軽音楽部に入り、初めて組んだバンドで、ボーカルとして「いとしのエリー」を唄った。先輩に褒められ、いい気になった記憶がある。そのバンドは2ヶ月後には消滅していた。いや、自分だけが弾き飛ばされていた。嫌な思い出もあるが、この曲は大好きで、よくカラオケでも唄っている。(sumito)
今日のBGM:絆