大学生のとき、アパートで独り暮らしをしていた。平均よりは下回る仕送りに、知恵を出さなければならなかった。親にこれ以上の負担はかけてはいけない、なんて健気な息子だろう(東京で学生をすること自体が贅沢ではあるが)。さて、削るといえば食費しかない。そこで考えたのが、作り置き節約術だ。カレーをいっぱい作り、3日かけて食べる。ミートソースをいっぱい作り、今日はパスタ、明日はライス、次は食パン。ほかにも、安い餃子と納豆ごはん。ししゃもと卵かけご飯など、節約に節約を重ねてしのいだ。おかげで体重は増えず、痩せ細っていった。今は見る影もない。あの頃の食生活をしていれば、10kgくらい訳なく痩せられるだろう。しかし、続かないことは明白だ。さて、そこまで節約したお金はどうなっていたかというと、毎月10枚くらいは買っていたレコード(輸入レコードは高かった!)に消えていったのであった。それを知ったら、きっと親は嘆いたことだろう。親孝行とは難しいものだ。(sumito)