女性の社会進出に伴い、保育所が足りず、待機児童が問題となっている。政府および自治体は、躍起になって保育所を増設し、なんとか待機児童の解消を目指しているが、なかなか進まない。お金の問題、場所の問題、保育士の確保など、様々な問題があるようだ。これらのニュースを目にするたびに、疑問に思うことがある。保育所を増やすしか、解決方法はないのだろうか?。少し昔はほとんど、こどもが3歳になるまで家庭で保育していた。今は産休あるいは育休が終わると、職場復帰する人が多くなったため、0歳児や1歳児などの未満児が増えている。未満児は保育士が大勢必要になるため、保育士不足の要因となっている。つまり、未満児の保育にかかる経費は、とても大きい。決して、未満児保育が悪いと言うつもりはない。おそらく相当な額となるその経費を、家庭で保育する人に助成することで、保育所の不足、保育士の不足を解消する方法にはなり得ないのだろうかと思う。1人の未満児を保育するためにかかる経費(保育所の建設・維持管理費を含む)を、家庭で保育する人(もちろん所得制限はある)に助成する制度があれば、いずれ少子化で発生する余剰保育所、余剰保育士を、今から調整することができるのではなかろうか。つまり、保育園に預ける選択と家庭で保育する選択が検討できる環境が必要ではないだろうか。現状では、保育園を探して職場に復帰する選択しかできないように思える。ところが、政治ではどの政党も家庭内保育の促進を訴えるところはない。皆が口をそろえ、保育所の増設による待機児童解消を叫ぶ。労働力不足に伴い、いつまでも保育で家庭に閉じこもっていられては困るのかもしれない。一番問題なのは、保育にかかる経費は国の補助金に頼る部分が大きく、自治体が負担の重さを感じていないことではないだろうか。国(厚生労働省)は予算権限を確保するために、自治体に保育所を作るように誘導しているとしか思えない。労働力不足は定年延長やIT化などでも解決できるだろう。長期の保育休業後の復帰(ギャップ)についても、研修制度の充実で克服できると考える。家庭内保育促進助成金なるものを創設することが、一番の早道であり、効果的な施策だと思うが、いかがなものだろうか。少子化対策にも効果があると思うのだが。(sumito)