N響メンバーによる演奏会《その6》

中地区と亀田の2カ所で演奏会を開催することになった。亀田は見込みができる。問題は中地区でどれだけ集められるかだ。新潟市の中心部に近いだけに、耳の肥えた人は本格的な演奏会を聴いている。また、チケットを取り扱ってくれる店も開拓しなければならない。往復はがきでの予約も受け付けることにした。実行委員も必死になって券をさばいてくれた。結果、目標には届かなかったが、なんとか予算をまかなえるだけの収入は確保できた。おかげで、初めて開催した中地区でも、大変喜んでもらうことができた。これが一番のご褒美である。喜んだ顔、満足した顔、ありがとうという声が、これまでの苦労を吹っ飛ばしてくれる。やってよかった、とつくづく感じる。委員の皆さんも同じように感じたに違いない。来年もやりましょうと約束をすることになった。ただ、中地区での開催は2回で終了する。また、私が職場を異動することになったからだ。言い出しっぺなのだから責任をもってやれ、と叱咤されそうだが、きっかけがないと退くことができない。もっと続けてほしいという声に後ろ髪を引かれるが、中地区での開催は終了した。《その7に続く》(sumito)