とりあえず、実行委員会の主催による初めての演奏会は開かれた(演奏者は中堅メンバー)。前年に引き続き、大勢の聴衆が集まり、大満足の演奏会に終わった。終了後も、興奮した余韻が漂った。また、この感動を味わいたいと、心がときめいた。早速、実行委員会に来年もやりましょうと呼びかけた。今度は焦って失敗しないよう、今回と同じように補助金と協賛金については、頼ることにした。まずは継続することが第一だ。こうして毎年、演奏会は回を重ねていった。順調に定員を充たし、固定客も増えてきた。演奏内容も、弦楽だけではなく、歌も入って充実してきた。そして5回目を迎えたときに、改めて入場料の徴収を提案してみた。これまでの実績を踏まえれば、よほど高額でなければ収入は見込める。もし赤字になったら、自分が負担しようという覚悟だった。こうして、やっと私が絵に描いた、実行委員会で費用を賄う演奏会を開催することができた。もちろん、入場者は見込みを大きく上回った。船は速度を上げ、大きく前進していった。《その3に続く》(sumito)