私が公民館職員時代、記憶に残る行動の一つに「N響メンバーによる演奏会」の実施がある。初めは亀田町教育委員会の主催で、NHK交響楽団(N響)のソロコンサートマスターをトップとした演奏会を開催した。小さな町で、これほど超豪華なメンバーでのクラシック演奏会は初めてなので、会場は興奮と熱気に包まれた。ところが、あまりにも運営が大変だったのか、担当者はもう絶対やらない、と音を上げた。これほどまで盛り上がった機運を、みすみす逃すことはもったいない。そこで、実行委員会を立ち上げ、入場料収入でやりくりすることを知人に提案した。思ったより多くの人が同意してくれ、順調な船出、と思えた。ところが、実行委員の負担というところで話がつまずいてしまった。もし、予定の入場料が集まらなかったら、実行委員会で負担しなくてはならない。でも、最悪でも1人5,000円程度ですよ、と説明したら、経費の負担については初めに説明がなかった、話が違う、と一部の委員に反対された。計画は仕切り直しとなった。私としては、継続していくためには行政に頼らず、自分たちの力で運営することが基本だと考えていたので、補助金を当てにすることは反対だった。しかし、私の主張は通らず、結局町の補助金と企業の協賛金を頼りに開催することになった。《その2に続く》(sumito)